砂季は配達をしていた 給料は少ないが企業に勤めていた時と違ってノルマがあるわけでも監督者に怒られるわけでもなかった のんびりと散歩もかねて荷物を運んでいた #砂季 (このくらいのんびり働けるんなら社会生活を続けてもよかったんだけどな なんで就職するとノルマがきつくて怒られなければならないのだろう 別に仕事量が少ない分は給料下げてくれていいのに) そんな事を考えながら太陽の日差しをあじわっていた #砂季 「ちわー お荷物お届けに参りました」 宅配業者っぽくあいさつする #魔術師 「ありがとう そして、はじめまして 私は魔術師です」 #砂季 「はじめまして たしかに魔術師のかっこしてるね わたしは……雑用係かな」 #魔術師 「雑用のプロとはめずらしいですね」 #砂季 「というか、やりたい事も見つからず 得意な事も見つからないだけなんですが」 自分で言って悲しくなってきた #魔術師 「ふ〜む なるほどなるほど〜 それはよくないですね 袖振り合うも他生の縁 ここは私が占ってあげましょう」 #砂季 「ふ〜ん お願いしようかなあ」 #魔術師 「どうぞ、お入りください」 #砂季 「お邪魔します」 #魔術師 「う〜ん 正直、何もわかりませんね 実は未だに魔術は使えないんです」 #砂季 「なんと 失礼ですが、魔術など存在しないのでは?」 #魔術師 「酷いこと言うね 私は魔術に人生をかけているのに」 #砂季 「すみません 負けないでください」 #魔術師 「自分が言ったんじゃ…… ……もしかしたら、魔術なんか無理なのかもしれません でもそれでもいいんです 例え、自分が生きているうちに何の成果も出なくても私は後悔しないよ だって魔術が好きだから」 #砂季 「やっぱりいいですね 好きな事があるって きっといつか使えますよ」 #砂季 (好きな事をやり続けられたら幸せになれるかもしれない 本当に好きな事ならば結果は関係ないのかもしれない 私も何かやりたい事を探すべきなのだろう)